作付けの計画を立てたら次はレイアウトを考えていきます。
ただし、必要な野菜の量は限られていますから、作付け計画とレイアウトを考えるのは、同時並行です。
例えば、私の菜園の区画どりでいくと、1区画3平米(長さ3m、幅1m)のものと6平米(長さ6m、幅1m)のものが基本の畝です。
基本の1区画で、1つの野菜を作る方が、施肥量や栽培方法が同じなので楽ですが、どうしても1家庭で食べきれない野菜が出てきます。
そんな時は、1区画をさらに分けて、必要な量の野菜を作るように心がけましょう。
一番左が、私の菜園で一番多い区画の3平米畝です。
ナス、トマト、ズッキーニ、ソラマメ、ニンジン、ネギ、レタスなどは、基本3平米の畝に1つの品目を栽培しています(ただし他の品目を混植している畝あり)。
ただし、3平米では食べきれない野菜も多くあるので、そのような時は、左から2つ目の区画のように、2:1で区切ったり、左から3つ目の区画のように1:1で区切ったりします。一番右の図のように、育てる野菜によって縦に半分区切る場合もあります。
こうやって区切ることで、3平米の他に、1平米、1.5平米、2平米の畝が作れるので、それぞれ必要な野菜の量を想定し1区画のレイアウトを考えていきます。
こちらは、ジャガイモやタマネギ、イチゴなど一度に多くの栽培面積が必要な野菜を作っている6平米の畝です。
こちらは、1つの野菜を沢山作るのが目的なので6平米と大区画ですが、6平米の面積だとどうしても多く作りすぎてしまう場合は、左から2つ目、3つ目、4つ目の区画のように区切って対応しています。
このように区切ることで、6平米の他に、1.5平米、2平米、3平米、4平米、4.5平米の畝が作れるので、3平米の畝と同じように、それぞれ必要な野菜の量を想定し1区画のレイアウトを考えていきます。
次に考えなければいけないのは、品目別の株間と条数(列数)です。栽培しようとする面積が決まれば、必要な株数も決まってきます。株間や条数も人それぞれで、経験をもとに設定しなおしていくと良いです。
特に、必要な株数を把握しておくと、育苗の時に何ポット育てるか?苗や種芋などをどれだけ購入しなけらばならないかが解るので便利です。
以下に、私が栽培している株間と条数、栽培面積、必要株数を掲載しました。
品目 |
株間 (cm) |
条数 (列) |
栽培面積 (平米) |
必要株数 | 備考 |
トマト | 43 | 1 | 3 | 6 | |
ナス | 55 | 1 | 3 | 5 | 葉ネギ混植 |
ピーマン | 70 | 1 | 2.4 | 3 | ラッカセイ、シカクマメ混植 |
キュウリ | 50 | 2 | 2.4 | 8 | 葉ネギ混植 |
スイカ | ― | 2 | 1.5 | 2 | 葉ネギ混植、立体栽培 |
カボチャ | 200 | 1 | 6 | 3 | 葉ネギ、スイートコーン混植 |
ズッキーニ | 60 | 1 | 3 | 4 | 葉ネギ混植 |
オクラ | 50 | 2 | 1.5 | 6 | クウシンサイ混植 |
スイートコーン | 25 | 2 | 3+3 | 22+22 | 半促成+普通(カボチャ混植) |
エンドウ | 35 | 2 | 2 | 10 | |
エダマメ | 30 | 2 | 4 | 26 | |
インゲン | 35 | 2 | 2 | 10 | |
イチゴ | 30 | 2 | 6×2 | 38×2 | 6平米2区画栽培 |
ダイコン | 30 | 2 | 4 | 26 | シュンギク混植 |
タマネギ | 15 | 5 | 6+3 | 185+95 | 中晩生+早生 |
カブ | 15 | 5 | 1 | 25 | |
ニンジン | 15 | 5 | 3 | 95 | |
ジャガイモ | 30 | 2 | 6 | 38 | |
サツマイモ | 30 | 2 | 6 | 40 | |
サトイモ | 40 | 2 | 6 | 14 | |
ヤマイモ | ― | ― | ― | 2×3袋 | 短形自然薯袋栽培、3袋 |
ゴボウ | ― | ― | 1.5 | 9×8袋 | 短形ゴボウ袋栽培、8袋 |
ニンニク | 15 | 5 | 2.4 | 65 | 種球500g |
アブラナ科葉菜類 | 15 | 5 | 2 | 70 | セル成型苗 |
ミズナ・タアサイ | 45 | 2 | 2.4 | 5×2 | 大株栽培、交互植え |
キャベツ(秋冬) | 35 | 2 | 3+6+3 | 8+16+8 | 秋+冬+3~4月どり |
キャベツ(越冬) | 30 | 2 | 1 | 6 | |
キャベツ(春) | 40 | 1 | 1.2 | 5 | |
ハクサイ | 48 | 2 | 2.4+3 | 8+12 | 秋ハクサイ+冬ハクサイ |
カリフラワー | 35 | 2 | 3 | 16 | |
ブロッコリー | 35 | 2 | 3 | 16 | |
ナバナ | 35 | 2 | 1.5 | 8 | |
レタス | 35 | 2 | 3 | 16 | シュンギク混植 |
レタス(越冬) | 40 | 2 | 2.4 | 10 | |
シュンギク | 30~40 | 1 | ― | 7+12 | レタス・ダイコンと混植 |
ホウレンソウ | 15 | 5 | 2 | 70 | |
食用ビーツ | 15 | 5 | 1 | 25 | |
ネギ | 15 | 2 | 3 | 36 | 苗1.5kg |
アスパラガス | 75 | 2 | 2.4 | 5 | |
クウシンサイ | 50 | 2 | 1.5 | 4 | オクラ混植 |
ショウガ | 30 | 2 | 1.5 | 10 | |
セロリ | 40 | 2 | 1.5 | 6 | |
ルバーブ | 70 | 1 | 2.4 | 3 |
畝の幅を1mに設定しているので、ジャガイモ、サトイモ、サツマイモの2条植えは少し余裕がありません。
カボチャも畝幅1mでは狭いので、蔓はタマネギ収穫後の畝に這わすようにしています。
備考にも書いてありますが、あまりメインでない野菜(クウシンサイやシュンギクなど)は、他の野菜と混植すると限られた面積の中で効率的よく栽培できます。
株間と条数を決めたら、いよいよ畝のレイアウトです。まさに、家庭菜園のデザインの部分です。
菜園に行ってからレイアウトを考えていると、物凄く時間がかかり非効率です。あらかじめ、レイアウト(配置図)を設計しておくことで、スムーズに作業が進みます。
ノートに手書きで書くのもいいですが、私はエクセルを使用してレイアウトを作成しています。
例1)ナス:株間55cm、1条、5株
株と株の間は55cmですが、畝の両端は55cmより少なく設定して大丈夫です。
ナス5株のうち、水ナスなど違った品種を植える場合は品種の配置も考えます。
トマトやズッキーニ、ソラマメなど果菜類の1条植えの野菜が、上記のようなレイアウトになります。
例2)キャベツ:株間35cm、2条、16株
大型葉物野菜の代表的なレイアウトです。
2条植えなので、条間も気になりますが、畝幅は決まっていますので、感覚で幅を設定すれば大丈夫です。
この冬キャベツの畝には4品種植えてありますが、収穫する順番に、左上→左下→右上→右下の順に配列するという決まり事を作っておけば、定植や収穫時に作業をスムーズに行うことが出来ます。
レタスやスイートコーン、ダイコンなどの2条植えの野菜が、上記のようなレイアウトになります。
例3)コマツナやホウレンソウなど葉物野菜:株間15cm、5条(条間15cm)
葉物野菜の代表的なレイアウトです。
タマネギやニンジン(マルチ栽培する場合)なども同じレイアウトになります。
こちらの畝は条間もしっかり計って15cmにします。
基本のレイアウトが決まったら、混植が出来るかどうかも考えてみましょう。
混植は主に2つの考え方があると思います。
1つ目は、共生関係のあるコンパニオンプランツとしての混植です。ラッカセイとピーマンや、トマトとバジル、ウリ科野菜とネギなどが主な代表です。
2つ目は、共生関係にないものの、栽培期間が同じであったり、空きスペースで十分に育てられるなど、効率的に栽培できる組み合わせによる混植です。
組み合わせは無限ですから、色々試してみると良いと思います。
以下に、私がおすすめする混植例を掲載しておきます。
メインとなる品目 | × |
混植させる品目 |
備考 |
トマト | × | バジル | コンパニオンプランツ |
ナス | × | 葉ネギ | コンパニオンプランツ |
ピーマン | × | ラッカセイ、シカクマメ | コンパニオンプランツ |
キュウリ | × | 葉ネギ | コンパニオンプランツ |
スイカ | × | 葉ネギ | コンパニオンプランツ |
カボチャ | × | 葉ネギ、スイートコーン | コンパニオンプランツ |
ズッキーニ | × | 葉ネギ | コンパニオンプランツ |
オクラ | × | クウシンサイ | 栽培期間が同じ |
ダイコン | × | シュンギク | 栽培期間が同じ |
サトイモ | × | ショウガ | 栽培期間が同じ |
レタス | × | シュンギク | 栽培期間が同じで同じキク科 |
例1)ピーマンとラッカセイ
メインの品目となるピーマンの周辺にラッカセイを混植したレイアウト。
草が生えないように等間隔でラッカセイを配置します。
例2)レタスとシュンギク
メインの品目のレタスの畝の中央に、レタスと同じキク科のシュンギクを配列します。
秋スペースを有効活用できるのと、同じキク科なのであえて混植します。
今回、この畝にキク科の野菜を集中的に植えて、しばらくはキク科の野菜を育てないことによって連作障害を避けるという意味合いがあります。
混植も上手く取り入れて、なるべく沢山の野菜が収穫できるようにレイアウトを考えてみて下さい。
実際に栽培しながら、栽培面積やレイアウトの調整をする方が現実的です